予防歯科

歯医者でのクリーニングは何をしてる?

こんにちは!ヤギブログ担当の歯科助手パンです。歯医者で治療が終了した後に「次回はクリーニングで来てください」と言われたことはありませんか?
虫歯の治療が終了したから来る必要ないんじゃないの?何の話し?と感じた場合には、歯科医院側が治療のときに『予防の重症性』をうまく伝えられていないかもしれません。
「自分は歯磨きに自信があるから大丈夫」「着色が気になった時だけじゃダメ?」「歯石もないし必要ないのでは?」「クリーニングを受けているけどいつまで続く?」
などと思われている方の、今後のお口の健康のために『歯のクリーニングはなぜ必要か?』をお伝えしたいと思います!

クリーニングは何をしているの?

クリーニングのイメージ図

歯医者でクリーニングを受けているときに「今、何をしているのかな?」と思ったことはありませんか?歯科医院により多少の違いはありますが、一般的な流れは次の通りです。

1.歯ぐきの検査

保険で行うクリーニングの場合は、検査をして歯周病になっていないかの確認をします。レントゲン撮影や、歯と歯ぐきの間に器具を入れて検査します。

2.歯石の除去

歯の表面を専用の器具でカリカリと擦ることや、超音波の振動を利用した水のでる機械で歯石を落とし、歯ぐきの中を洗浄します。

3.歯垢やバイオフィルムの除去

毛先が回転する電動歯ブラシのような機械で、歯の表面を磨いて、歯垢やバイオフィルムを除去します。

4.着色の除去

細かいパウダーをジェット水流で歯に吹き付けることにより、茶渋などの着色汚れを除去します。歯石取りや歯垢除去と同じ道具を使う場合もあります。

クリーニングが必要な理由は1つじゃない

クリーニングを行うことで健康な口元になるイメージ図

どんな時に、歯のクリーニングを受けたいですか?着色したとき?口臭が気になるとき?それも正解ですが、歯科医院で行うクリーニングには、目的がいくつかあります。

歯の着色除去

たばこのヤニ、紅茶やコーヒーといった飲食物による歯の着色は、通常の歯磨きでは落ちません。接客業をされている方など、定期的に着色除去目的でクリーニングを希望される方も多くいらっしゃいます。

歯石の除去

歯石は、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊が硬くなったもので、強固に歯面に付着しているため、ご自身での除去は困難です。歯石そのものは、虫歯や歯周病の直接の原因ではありませんが、表面が粗造なため、歯石がついていると細菌が増殖してしまい、歯周病や虫歯を引き起こしてしまいます。

バイオフィルムの除去

バイオフィルムとは、細菌がコミュニティーを作って増殖した膜状のものです。排水口のヌメリと同じようなものが、歯の表面を覆います。どんなに歯磨きを頑張っても、お口の中の細菌をゼロにすることはできないため、歯の表面には必ず作られてしまいます。バイオフィルムは、細菌が薬剤や外からの刺激から、自らを守るために形成したものです。そのため、洗口液などの薬剤には耐性があり、機械的にこすり落とさないと落ちません。

3ヵ月に一度のクリーニングがおすすめな理由

虫歯や歯周病予防のイメージ図

歯を長く・健康に保つことを考えると、バイオフィルムが成熟し始める頃に合わせて、クリーニングを受けると虫歯や歯周病予防に効果的です。
歯磨き後、8時間程度で細菌が増え始め、48時間後には菌が成長し、72時間後にはバイオフィルムを形成します。歯に付着してから成熟するまでに3~4ヵ月ぐらいかかり、そうなると病原性が高まるといわれています。また、歯石や歯垢は白色ですが、バイオフィルムは透明なため、ご自身で落とせているか見極めるのは困難です。そのため、3ヵ月に1回は定期検診を兼ねてクリーニングに通われると、バイオフィルムをリセットできて安心です。

歯周病の病状の改善として、歯石取りが歯ぐきの治療となることもあります。歯ぐきの上だけに少量付着した歯石は、専用の器具を使えば比較的容易に除去できます。定期的に通われていれば、3ヵ月に1回のクリーニングでも取り切れるでしょう。
しかし、放置してしまい進行した歯周病の場合、歯ぐきの下にも歯石が付着します。歯ぐきの下の歯石はとても硬く、何回かに分けて処置をします。1ヵ月に数回の頻度になることも考えられます。

その他、イベント前に合わせての着色除去など、審美的な目的があれば、ご自身の気になったタイミングで受けられるといいでしょう。

<参考>
ライオン・システマ:https://systema.lion.co.jp/shishubyo/glossary/b_biofirm.htm
e-ヘルスネット:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yh-034.html

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