摂食嚥下障害の治療について

食べたい・食べさせたい<br class="bm">という想い

患者様の食べたいという想い、ご家族の食べさせたいという想い。
そんな想いを繋げるために訪問歯科を行っています。

摂食嚥下障害の治療

評価・検査

歯科検診を通じて、口腔や嚥下機能の評価を行い、治療計画を立てます。必要により嚥下内視鏡検査(VE)を用いた飲み込みの検査も行い、治療計画に基づいて治療を開始します。当院には摂食嚥下専門医が在籍しております。

口腔ケア

摂食嚥下リハビリテーションを行う上での前提条件となっている、歯科衛生士による口腔ケアを行い、お口の中をきれいにし、細菌を除去し、口腔内の衛生状態を改善させます。口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防にも繋がります。

間接訓練

間接訓練とは「食べ物を用いない訓練」で、誤嚥の危険性が高く直接訓練を行うことのできない場合や経口摂取をしている場合でも、食前の嚥下体操などのように嚥下諸器官の準備運動の目的で行っていきます。

直接訓練

直接訓練とは「食べ物を用いる訓練」で、体位や肢位、食形態の工夫など誤嚥の防止を図りながら、安全に直接訓練を行い、30分程度の食事時間と7割以上の摂取量を目安に、安全かつ適切な難易度の食事を段階的に進めていきます。

摂食嚥下障害の原因

摂食嚥下障害には原因があり、代表的なものとして以下の3つが挙げられます。

  • 形態的な問題
  • 形態的な問題とは、口腔、咽頭、食道などの、摂食嚥下のために必要な器官の解剖学的な構造の問題のことで、食塊の通り道に障害物がある、あるいは食塊の通り道が正常ではない形状となっている状態をいいます。疾患の例でいえば、先天的な原因である口蓋裂や、その他の原因による顎の形成不全がある場合。後天的な原因である舌癌や咽頭癌などの口腔、咽頭の腫瘍による場合や、術後の障害が原因となる場合が多いです。

  • 神経・筋系の異常
  • 神経・筋系の異常により、機能的な障害が起こります。これは、口腔や咽頭、食道などの摂食嚥下に必要な器官の構造を正常であっても、それらの器官の運動に問題があるため、食塊を上手く送り出せない状態のことです。

  • 加齢の影響
  • 加齢に伴う機能低下により、摂食嚥下に必要な機能が低下していきます。また、高齢者は疾患をいくつも併発している場合が多く、それらの疾患によって薬剤を服用している場合、薬剤の影響も摂食嚥下障害に大きく関係します。

摂食嚥下障害によって起こる問題

摂食嚥下障害が原因で起こる主な問題として以下が挙げられます。

誤嚥性肺炎のリスク

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は危険性の高い疾患で、病気や加齢によって嚥下機能が低下してしまい、本来食道に流れるはずの食べ物や唾液などの液体が誤って肺に流れてしまい、お口の中の細菌も一緒に肺に入って起こる肺炎のことを指します。

窒息のリスク

窒息

食べ物や飲み物、唾液などの液体が気道を塞ぐことで起こります。咀嚼や唾液の量が不十分だったり、飲み込む力が弱まっていたりすることが原因となります。もし窒息が起こり意識がない場合は、迷わず救急車を呼びましょう。

低栄養のリスク

低栄養

摂食嚥下障害により、食べられる量や形が限定されるため、低栄養になりやすくなります。低栄養状態をそのままにしてしまうと、免疫力や体力、筋力の低下を招き、それに伴って摂食嚥下障害の悪化を招くことに繋がってしまいます。

脱水のリスク

脱水

摂食嚥下障害により、上手く食べられない、飲み込めない状態になってしまうと、脱水症状が起こる場合があります。脱水になると、唾液の分泌量も減って口腔内が乾いてきます。唾液によって保たれていた口腔環境が悪化する可能性もあります。