摂食嚥下障害の原因
摂食嚥下障害には原因があり、代表的なものとして以下の3つが挙げられます。
- 形態的な問題
- 神経・筋系の異常
- 加齢の影響
形態的な問題とは、口腔、咽頭、食道などの、摂食嚥下のために必要な器官の解剖学的な構造の問題のことで、食塊の通り道に障害物がある、あるいは食塊の通り道が正常ではない形状となっている状態をいいます。疾患の例でいえば、先天的な原因である口蓋裂や、その他の原因による顎の形成不全がある場合。後天的な原因である舌癌や咽頭癌などの口腔、咽頭の腫瘍による場合や、術後の障害が原因となる場合が多いです。
神経・筋系の異常により、機能的な障害が起こります。これは、口腔や咽頭、食道などの摂食嚥下に必要な器官の構造を正常であっても、それらの器官の運動に問題があるため、食塊を上手く送り出せない状態のことです。
加齢に伴う機能低下により、摂食嚥下に必要な機能が低下していきます。また、高齢者は疾患をいくつも併発している場合が多く、それらの疾患によって薬剤を服用している場合、薬剤の影響も摂食嚥下障害に大きく関係します。